電子線グラフト重合の原理

電子線照射により基材となる高分子基材に活性点(ラジカル)を作り、そこに別の機能を持つモノマーを
接木状に結合させることで、高分子基材にモノマーの持つ機能を付加する改質技術です。
化学的に結合しているためコーティングとは異なり脱落による劣化が殆どありません。

電子線グラフト重合の応用例:多孔質PEシートへの親水性付加

孔の内部まで親水性付加可能

ポリエチレン(PE)は疎水性であるため、多孔質PEの空孔(数十μmφ)に水は入りこまずシート表面で
水滴を形成します(処理前)。
電子線グラフト重合により孔の内部まで親水性を付与されたPEシートは、水滴を素早く吸水します。
また、このPEシートを高温の水で何度洗浄しても親水性が低下することはありません。

電子線グラフト重合の利用分野