電子線硬化の原理

電子線照射により、基材の表面に塗布したモノマーやオリゴマーを瞬時に重合させる被膜形成技術です。
添加剤不要な硬化のため、耐候性などが優れています。

各硬化方法との比較

電子線硬化 熱硬化 UV硬化
触媒の添加 不要 要(光開始剤)
硬化温度 室温+数℃ 80~250℃ 40~80℃
硬化雰囲気 不活性(窒素)ガス 空気 空気
硬化時間 1秒以内 数秒~数十分 数秒~数十秒
溶剤希釈 無溶剤可能 無溶剤可能
硬化厚み 数μm~数mm 制限なし 10~100μm
エネルギー効率

電子線硬化樹脂は、重合開始剤などの触媒の添加や溶剤希釈が必要ないため環境負荷を低減することができます。
また、架橋密度が高く耐傷性、耐久性に優れることが特長です。
一方で、不活性化ガス雰囲気下で硬化する樹脂が一般的であることや、基材も電子線の影響を受けることに
注意する必要があります。

電子線硬化の利用分野